溢れるパリ情報からは見えない「ふつうの」パリ、多様なルーツと文化をもつパリの住民たちの日常を描いたヴィヴィッドなエッセイ。住宅事情、移民、仕事、ヴァカンス、料理、恋愛、モード、ブリコラージュ、音楽、政治…。晶文社の「ふだん着シリーズ」(ソウル、イスタンブール…)の一つとして四半世紀前に刊行された処女作。2015年1月のシャルリエブド紙襲撃テロで亡くなったカビュのイラスト収録。
インタビュー取材を中心に、統計や社会学的観点を含む前作のアプローチをさらに進め、フランス社会を13の角度から描いたエッセイ。料理、映画、ミュージアム、国境なき医師団、移民、女性の地位、ディズニーランド・パリ、エイズ、ヨーロッパ統合…。今読むと、20年前にフランスの経済や社会が大きく変化し始めていたことを実感する。出産3日前に脱稿。
ふだんなにげなく使っていることば(言い回し)を切り口に、フランスの文化や人々のメンタリティが見えてくる本。「いちじく半分ぶどう半分」、「靴の横を歩く」「ギャラントリー」など、38のことばや言い回しを手がかりに、フランスの日常生活から政治の話題まで、いきいきと描いたエッセイ。
前作につづいて、ことばを切り口に、フランスの社会や文化、フランス人のメンタリティについて語ったエッセイ。「洋梨とチーズのあいだに」、「宿屋からまだ出られない」など34章のうち、24章は白水社の雑誌『ふらんす』で連載(「みちくさのフランス語」1999年4月号〜2001年3月号)。パックス法(連帯の市民契約)制定やユーロへの移行などの話題を含む。
30年以上暮らして、かけがえのない価値観だと著者自身も感じるようになったフランスの魅力に焦点を当てたエッセイ。中古と古物への愛着、幼稚園から始まる「大人」育て、「のろま」の愉しみ、読書と朗読のすすめ、みんなのための演劇など、この国の文化の厚みとフランス人のしたたかな市民感覚を描く。「買わない。急がない。あきらめない。」文庫版(2015年1月)では、取材した内容に変化があった部分を加筆。
息子ルカが生まれてから20年近い年月のあいだ、自分で考えられる人間に育てるにはどうすればよいのか、子どもに伝えたいことはなんなのか、考えながら子育てした経験を綴り、フランスの教育の興味深く刺激的な点(言葉への感受性、古典語、哲学)を描いたエッセイ。親から子へのいちばんの贈りものは時間を与えること、人生を豊かにしてくれるさまざまな歓びを伝えることではないだろうか。2015年、韓国語訳出版(Megabooks)。